勉強会ではいろいろなバックグラウンドの方とお会いできて新鮮です。
質問や課題のシェアに対して毎回お答えしていますが、
今日はいつもと違った切り口のお話をしてみたいと思います。
Q
「気持ちに寄り添いたい」と思って聴くようにしていますが、
うまくできたのかどうかいつもよくわかりません。
ときどき、「あなたに話して良かった」と言ってもらえて
そういう時はほっとするのですが、
そうならずにモヤモヤしたまま終わってしまうこともあり何が違うのかもっとわかるようになりたいです。
A
話を聴いている時に、
この対話はいまどういう段階にあるか、
話し手の人はどんな状態であるかということの目安になる考え方があります。
一つはカウンセリングプロセスです。
①信頼関係の形成
②問題の共有
②-1ニーズ・感情の把握
②-2問題の見立て
②-3仮説の検証
②-4問題の共有
③目標の設定
④振り返り・フォロー
研究所グループの中ではこんな感じで説明しています。
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もう一つ、話し手さんがどんなことを話しているかによって、
心理洞察(あっ、そうか・・・!みたいに気づくこと)に至るまでの距離をある程度把握することができます。
これ、体験過程尺度といいます。
段階1
自分と関係ない事柄
「アメリカはハリケーンはあるけど地震はないらしい」
段階2
自分が関わった事柄、感情はなし
「先日の地震では交通網が乱れて会社に遅れそうになった」
段階3
自分と関わった事柄、事柄への反応としての感情
「遅刻しないですんだからほっとした」
段階4
反応としての感情ではなく、自分を表す感情や感覚
「僕はほんとは気が小さくて、すぐどきどきする。あせるから余計うまくいかないし疲れる。最近は肩のあたりがずっと重くて・・・」
段階5
仮説提起、自問自答
「意外と、完ぺき主義で、減点法でしか見れてないってことなのかな・・・」
段階6
気づき
「そうか。そういえばいつもどこかで、これくらいできて当たり前っていう縛りがあって、頭の声がしていたというか。いつからかわからないけど、その声に脅されていたのかもしれない」
段階7
気づきの広がり
「・・・そういえば、・・・」
ここは言語表現されるとは限らないようです、対面中にここまでいくことはめったにないとのことです。
優れた聴き手は、話し手さんがどういう話をしているかに注意を払い、
体験過程が深まっているようならその部分を丁寧に扱って、
後戻りしないようにサポートすることができます。
「気持ちに寄り添えたかどうか」
を直接知るには話し手さんに聞いてみる必要があるかもしれませんが、
それができない場合も、
話し手さんがどんな言葉を使っているかによって体験過程の深まりを感じとることができますね。
自分の聴き方を振り返る時の参考にしてください。
最初は、なかなか意識できないと思いますので、
「こんな聴き方をしていたよ!」とフィードバックを受けられる勉強会に出てみるといいですよ。
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